今回のマーケットトークのテーマは「パウエル議長は何を語ったのか?」です。まず、発言のポイントやマーケットを振り返り、為替相場にとって重要なアメリカの長期金利の行方を考えます。そして最後に来週の主な予定やポイントについて解説します。

 

今回の講演でパウエル議長は総じてみれば、9月の利下げの可能性を示唆しました。いくつか発言をご紹介しますと、まず現在の政策金利に関し、やや引き締め気味であるとの評価を示しました。これにより利下げの必要性を示唆したことになります。その背景にインフレのリスクと労働市場悪化、すなわち景気の下振れリスクとのバランスが変化した結果、政策金利の調整が正当化されるようになったと説明しています。

また、労働市場の下振れリスクにも言及しました。もちろん9月の利下げを確約したわけではありませんが、8月1日に発表された雇用統計がかなり影響したと考えられます。一方、関税が持続的なインフレに波及するリスクにも言及しています。これは10月以降についてはあくまでもデータ次第で判断して行くと読み取ることができます。総じて先週の動画でお伝えした通りで、内容にサプライズはありませんでした(2ページ)。