為替相場の振り返り

次に、今週の主要通貨の対ドル変化率を見ておきましょう。スウェーデンクローナ、ユーロ、スイスフラン、英ポンドがドルに対して上昇しており、全体としてドルが冴えませんでした。しかし、カナダドルはそのドルに対して下落しており、円も概ね横ばいと冴えませんでした(スライド 8)。

 

そこで今週のドル円の動きを振り返っておきましょう。今週は、日銀の氷見野副総裁の講演を受け、円安が進みました。実質金利が大幅なマイナス圏にある点に言及がなされるなど総じて利上げを続けていくとの考えが示されたものの、差し迫った利上げの必要性への言及はありませんでした。この結果、利上げ観測が後退したのです。

また、森山幹事長が辞任を表明したことも円安を後押ししました。この点については後ほども触れますが、総裁選後の財政拡張への思惑が円安を招いていると考えられます。その後、予想を下回ったISM製造業景気指数を受けて反落した後、一旦ドル買いが優勢となったものの、求人件数などのJOLTの結果を受けて反落しました。非製造業ISM景気指数を受けて持ち直していましたが、先ほどの雇用統計を受けて急落している状況です(スライド 9)。