ユーロ高は少し落ち着く
続いて今週の主要通貨の対ドル変化率を見てみましょう。

ドル指数を構成する6通貨(ユーロ、ポンド、円、カナダドル、スイスフラン、スウェーデンクローナ)がドルに対して、先週3月7日終わりと今日3月14日の日本時間20時時点でどのぐらい変化したかを示したものです。
米ドルはポンドとスウェーデンクローナの間に位置し、全7通貨中の上から3番目です。
ドル安というよりは、わずかにドル高の動きと見ることもできます。また、スウェーデンクローナ、カナダドル、日本円、スイスフランはドルよりも弱く、ドル安の底入れが、このグラフからも読み取れます。
日本円は146円台を記録しましたから、感覚的には円高と感じる方も多いかもしれませんが、実際には日本円は7通貨中下から2番目です。今週はスイスフラン以外の全通貨に対して円安となっています。
先週、今週と続けて円は主要通貨の中で真ん中かそれよりも弱い位置にあり、円高とはなっていません。この点について先週は円高ではなく、財政拡張の話に端を発したドイツ長期金利の上昇を契機にユーロが上昇し、ドルが下押しされた影響でドル円がドル安方向に動いた、つまり円高ではないとの説明と整合的です。
今週はどうでしょうか。

ユーロ高の動きは少し落ち着きました。週半ばにかけては停戦合意への期待感もあり1.09台に乗りましたが、その後はドイツの「緑の党」が財政拡張策の反対に回る可能性が出たことでユーロはやや下落しました。
ただ、先ほど日本時間3月14日20時過ぎに「緑の党」が合意して賛成に回ったというニュースが出ました。この影響もあり直近(配信3月14日時点)1時間を見るとユーロ高で今週はユーロが現時点で最も上昇している通貨となっています。
ドル円ですが、ここからさらに円高方向に進むのは難しいと思われます。