2月下旬から3月にかけて、確定拠出年金(DC)コールセンターは電話が鳴りやまない日々が続きました。
「不整合通知」についての問い合わせが大量に入ったためです。
加入要件緩和の一方で複雑化するデータ管理
不整合通知とは、個人型DC(iDeCo)加入者にあてた国民年金基金連合会からの書類です。各種データが整合しなかったiDeCo加入者に、2月14日から発送されています。
個人型DCは制度設立当初、国民年金の第3号被保険者や公務員、他の企業年金がある会社員は活用できない制度でしたが、2017年1月、2022年10月とつぎつぎに加入要件が緩和されました。さらに、2024年12月の法改正により、iDeCoの拠出上限額は、他の企業年金制度の有無や掛金額によって個々人で異なることになりました。その管理のために、iDeCoの登録情報(国民年金基金連合会)と、日本年金機構や「企業年金プラットフォーム」のデータとの突合が行われることとなりました。
なお、企業年金プラットフォームは、確定給付企業年金(DB)と企業型DCのデータをとりまとめるために設置されました。DBデータは受託機関(金融機関)※から、企業型DCのデータは記録関連運営管理機関から送付されています。
不整合通知にはいくつかの種類があり、「加入者資格不該当通知書」の場合、不整合の理由は15種類、手続きパターンも5つあります。「個人型年金の記録について」は拠出停止理由が7つあります。そのほか、「企業年金登録情報との不整合のご案内」「企業年金等の掛金額変更によるiDeCo掛金一時停止のお知らせ」という書類もあり、複雑です。
※ 加入者等の情報の管理業務を委託せずに事業主・基金みずから実施している場合(Ⅰ型)は事業主・基金から送付