設立90周年 株価は急騰から一転下落、株主還元を拡大

ヤクルト本社の株価は2022年に大相場を迎えます。「ヤクルト1000」がヒットし、投資家の期待が集まりました。株式は2023年5月に上場来高値となる5215円まで買われます。しかし、以降は一転して下落トレンドとなりました。

足元はやや反発しています。2025年2月に公表の株主還元の強化が好感されたようです。新たに累進配当を導入し、目安として総還元性向70%を設定しました。従来は数値目標への言及はありませんでした。同時に自社株買い(自己株式を除く発行済株式数の最大4.62%)も公表しています。

さらに、株主優待の拡充にも踏み切ります。従来の優待品(自社商品)に選択制を導入し、新たにクーポンの進呈が上乗せされました。また、保有株式区分を2枠から3枠へ増やし、長期保有による特典も新設されています。

株価は2025年2月の年初来安値(2742円)から上昇し、足元は3000円前後で取引されています。

【ヤクルト本社の株価チャート(過去5年間)】
・株価:2969.5円(2025年3月6日終値)

 
出所:Tradingview
 

ヤクルト本社は「JPXプライム150指数」の算出当初からのメンバーです。選定理由は市場評価性(PBR基準)、つまり投資家から一定の支持を得ている銘柄といえます。

さらに、2025年は「ヤクルト」販売から90周年、ヤクルト本社設立から70周年にあたります。もともと投資家から人気がありますが、より一層の注目を集めそうです。

今回はヤクルト本社に焦点を当てましょう。同社の事業内容と、注目の「ヤクルト1000」の販売実績を解説します。また業績の推移と見通しも押さえましょう。