大躍進「ヤクルト1000」にかげり 新商品と海外展開で打開

冒頭のとおり、ヤクルト本社の近年のヒット商品が「ヤクルト1000」です。宅配専用の商品として2019年にデビューし、2021年に全国展開されました。同年には店頭向けの「Y 1000」も全国で販売されます。

比較的若い商品ですが、ヤクルト1000シリーズは主力となっています。1日あたり販売本数は300万本に達し、国内乳製品全体の約3割を占めるまでになりました。1年では10億本以上が売れる計算です。

 
出所:ヤクルト本社 決算説明会資料より著者作成
 

ただし、販売は減速も見られます。月次で確認すると、ヤクルト1000シリーズは2022年まで前年比2倍の高い成長が続きました。しかし、2023年に入ると成長は鈍化し、2024年は前年を下回ることが常態化します。2025年1月は、9カ月ぶりに前年を上回りました。

 
出所:ヤクルト本社 国内乳製品月次データより著者作成
 

ヤクルト本社は横展開でテコ入れを図ります。従来品から糖質とカロリーを抑えた「ヤクルト1000 糖質オフ」および「Y 1000 糖質オフ」を、それぞれ2025年1月と4月から全国で販売します。

さらに海外展開にも着手します。店頭向けの「Y1000」を、2025年3月から香港で輸出販売します。価格は1本19.9香港ドル(1香港ドル=19.81円で394円)、1日あたり1300本の販売を目指します。