23回のマーケットトークです。

まずは3月17日週のマーケットを振り返ります。ポイントは米国の過度な景気悲観論の後退と目まぐるしく主役が入れ替わったドル円相場の動き、さらにいったん織り込みが完了したと思われるドイツ財政拡張の動向です。このあたりを解説し、最後に来週の注目ポイントをまとめます。

まず3月17日に出た米国の2月分小売売上高です。灰色のグラフがヘッドライン(総合指数)で、前月比+0.2%と予想を大きく下回りました。一方、コアと言われる赤色のコントロールグループは予想上回りました。その結果、米国では過度な景気後退懸念が和らぎました。

続いて今週のドル円の動きを見てみましょう。週初17日から19日にあった日銀金融政策決定会合にかけては円が全面安でした。過去の動画でもお話した通りここまで投機筋の円ロングがかなり積み上がっていましたからポジションを整理する円売りが出たと考えられます。
ただ、この局面ではドル円150円台には到達できませんでした。一旦下がりもう1度仕切り直しがあり、その後20日にかけて150円台までドル高円安が進んでいました。ここで主導権を握っていたのはユーロ安です。
19日に日付が変わったあたりで独議会が財政拡張案を可決しました。これまで財政拡張への期待からユーロ高が進んでいましたが、材料の出尽くしに伴うユーロドルの下落がドル高に波及してドル円も150円乗せとなりました。
しかし、その後、約2円も急落します。今度の主役はドル安で、ドル円は148円台まで下がりました。ただ、その後は再び円が全面安となり、149円台半ばを超え、週末を前に緩んで148円台で推移しています。
今週を振り返ると値幅で言えば2円の動きでした。ただ、円安、ユーロ安、ドル安、と主役が激しく入れ替わるドル円相場だったと感じています。