投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、三菱UFJ銀行。

三菱UFJ銀行の販売額(1カ月)ランキング2026年2月のトップは前月第2位だった「eMAXIS 日経225インデックス」が返り咲いた。第2位には前月第4位だった「MUFGウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」が上がり、前月トップの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)は第3位に後退した。そして、第4位には前月第5位から「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が、第5位には前月第8位から「三菱UFJインデックス225オープン」が上がるなど、国内株インデックスファンドのランキング上昇が目立った。また、前月第10位の「MUFG ウェルス・インサイト・ファンド(積極型)」が第7位に浮上し、バランス型の「ウェルス・インサイト・ファンド」も順位を上げている。

※三菱UFJ銀行のサイト内の投資信託検索サイト、「ファンドランキングから探す」の「販売額:1カ月」に基づき編集部作成。期間は2026年2月。
https://fs.bk.mufg.jp/webasp/mufg/fund/ranking/hanbaigaku_1m.html

「ウェルス・インサイト・ファンド」が2位の理由は?

三菱UFJ銀行の販売額(1カ月)ランキングでトップに立った三菱UFJアセットマネジメントが設定する「eMAXIS 日経225インデックス」は、2026年2月の1カ月間で基準価額が10.38%上昇した。2月末時点の1年間のトータルリターンは60.70%に達している。同期間に同じく三菱UFJアセットが設定する「オルカン」は1カ月間で2.40%、1年で30.88%という成績だったために、日経平均株価連動型インデックスファンドの高い成績が目立つ局面だった。

一方、「三菱UFJ純金ファンド」(設定は三菱UFJアセット)は前月第6位から第8位に順位を落とし、前月第9位だった「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」(ピクテ・ジャパン)はトップ10圏外に落ちるなど、純金(ゴールド)に連動するファンドの人気は落ちた。2月末時点で「三菱UFJ純金ファンド」の1年リターンは87.02%と日経平均株価連動型インデックスファンドを上回る成績だが、1カ月間のパフォーマンスは横ばいであり、上昇の勢いに陰りがみられたことが人気離散の要因と考えられる。

日経平均連動型インデックスファンドの人気が高まったのは、足元のパフォーマンスを率直に評価した結果と考えられ、その点では2月の売れ筋ランキングには「リスクオン(リスクを取ってリターンを追求する)」の要素が感じられるが、一方で同じくランキング順位を上げた「ウェルス・インサイト・ファンド」(設定は三菱UFJアセット)はリスク分散によるリスク管理姿勢が強いファンドだ。より積極的にリスクが狙える局面では、分散投資によって特定の資産の値上がり益を十二分に取り込むことができないバランス型ファンドは回避されがちだ。株式が上がると確信を持てる局面で、わざわざ資産を株式と債券に分ける必要はないからだ。また、「ウェルス・インサイト・ファンド」は目標リスク水準を設けて、その時々の市場に合わせてきめ細かく配分比率を調節するタイプのバランス型ファンドで、リスク管理には一段と慎重に取り組むファンドになっている。

「ウェルス・インサイト・ファンド」は、日本や新興国を含む世界各国の株式、債券、不動産投信(リート)、商品(コモディティ)およびオルタナティブ資産を投資対象とし、目標リスク水準の異なる3つのファンド+マネープールの計4ファンドで構成されている。目標リスク水準は、「保守型」が年率リスク(標準偏差)で6.0%程度であり、「普通型」は同10.0%程度、「積極型」は同14.0%程度となっている。最もリスク水準が高い「積極型」でも株式のリスク水準である年率15%程度から20%以上という水準と比較すると一段低い水準になっている。

同ファンドは2021年5月の設定から約4年半の運用実績があるが、その実績によるリスクの水準も「普通型」が過去3年で年率8.60%、「積極型」は同10.48%だ。これは、「eMAXIS 日経225インデックス」の3年(年率)16.97%、「オルカン」の同12.35%、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の同14.62%、「三菱UFJ純金ファンド」の同20.90%などよりも低い水準にとどまっている(リスクの水準は2026年2月末時点)。「ウェルス・インサイト・ファンド」には、リスクをしっかり管理した上で中長期的に安定的なリターンを獲得することによって資産形成に役立てるという目的を持ったファンドだ。より高いリターンを狙って運用するということとは一線を画している。