意識される市場のリスク
この「ウェルス・インサイト・ファンド」の人気が高まっている背景の1つには、やはり、市場にリスクが高まっているという見方が出てきていることがある。国内株式インデックスファンドが1カ月間に10%以上も大幅に上昇する異常な値上がりに「行き過ぎ」の懸念を持ったのかもしれない。これまで市場をけん引してきた「人工知能(AI)関連」についても、AIの発展によって淘汰(とうた)されるサービスが注目されるなど単純な成長材料ではなくなってきている。市場に表れた変化の影響を見極めたいという思いも出てきたのだろう。ただ、「リスクオン」の象徴的なファンドである日経平均株価連動型インデックスファンドの方が相対的に高く評価されているあたり、リスク管理に重点を置かなければという判断は少数派だったということだろう。
現実には、2月28日に米国とイスラエルによるイラン空爆が起こり、イランはその報復の1つとして世界のエネルギー流通の大動脈であるホルムズ海峡を実質的に封鎖する措置を取った。その結果として原油価格が1バレル=60ドル台から2週間足らずで一時は100ドルを超える水準にまで急騰。インフレ懸念から世界的に株価が不安定な状態に突入した。少なくともイラン・中東地域での戦闘が継続している間は2月までのような「リスクオン」とはいかない。この状況が売れ筋ランキングに大きな変化をもたらすと考えられる。今後の変化に注目したい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩
