上昇トレンドが増資で一転、株価は年初来安値まで下落
関西電力の株価は足元で下落しています。2023年は上昇トレンドが強まり、東日本大震災前の水準である2000円台を回復しました。2024年6月には2929円の高値をつけます。業績の大幅な回復が投資家の買いを誘ったとみられます。
しかし同年11月、関西電力は増資および売り出しによる大型の資金調達(最大5049億円)を公表しました。1株あたり価値の希薄化や需給の悪化が嫌気され、株価は大きく調整します。12月には1636円の年初来安値まで売られました。現在はやや反発し、1900円前後で取引されています。
【関西電力の株価チャート(過去5年間)】
・株価:1893.5円(2025年3月21日終値)
配当金はどうでしょうか。関西電力は2017年3月期に5期ぶりの復配を果たしました。2019年3月期からは1株あたり50円が続きますが、今期(2025年3月期)は通期で60円を予定します。計画どおりなら増配は6期ぶり、配当利回りは約3%です。
【関西電力の予想配当利回り(2025年3月期)】
・予想配当金:60円
・予想配当利回り:3.17%
出所:関西電力ホームページ
関西電力の株式は新NISAでも買えます。新NISAで株式を買える成長投資枠は年240万円まで投資でき、関西電力なら足元の株価水準で1200株まで買える計算です。配当金が計画どおりなら、1年で7万2000円を受け取れます。
電力株は、かつて長期に保有しやすい「資産株」の代表格としてよく知られていました。しかし、近年は状況が変わっています。原子力発電にかかる問題や、為替や燃料価格の影響から、業績は大きく変動してきました。
関西電力の現状はどうでしょうか。業績を探ってみましょう。