構造改革に期待感 トランプ大統領の関税とマスク氏の対立が重荷
パナソニックホールディングスの株価は高値から調整しています。25年2月に新しい経営改革方針を公表すると、株価は一時1919円まで買われました。1900円台を付けるのは2008年9月以来です。同方針が大規模な事業再編を盛り込んでおり、収益改善が期待されたと考えられます。
しかし、25年4月にトランプ関税ショックを迎え、株価は一時1363.5円まで急落しました。足元では、主要顧客である米テスラの業績不安や、同社を率いるイーロン・マスク氏とトランプ大統領との対立もあり、パナソニックホールディングス株式には逆風となっています。5年騰落率はプラス54.0%と、日経平均株価(同プラス64.9%)に見劣りする水準です。
【パナソニックホールディングスの株価チャート(過去5年間)】
・株価:1537円(2025年6月9日終値)

配当金はどうでしょうか。パナソニックホールディングスは例年、本決算では翌期の配当金の予想を開示しません。ただし、配当性向は30%を目安に設定しています。今期の予想1株あたり利益132.79円から単純に計算すると、1株あたり配当金は39.8円、配当利回りは2.59%となります。

配当金は本来、約2割の税率で課税されます。しかし、NISA口座を通じた投資なら非課税で受け取ることが可能です。
NISAで個別株式に投資できる成長投資枠は、年に240万円まで投資できます。パナソニックホールディングスなら、足元の株価水準で1500株まで買える計算です。仮に1株あたり配当金が39.8円なら、総受取配当金は5万9700円となります。
なお、配当金は確実に支払われる保証はありません。特にパナソニックホールディングスは、先述のとおり大規模な事業再編に取り組んでおり、一時的に費用は増加することが見込まれます。投資を検討する前に、同社が進める構造改革を押さえておきましょう。