松下幸之助の家電メーカー 車載・データセンター向け電池が柱

まずは概要を解説します。

パナソニックホールディングスはエレクトロニクスの大手メーカーです。1918年に松下幸之助が創業し、「ナショナル」ブランドの家電で大きく成長しました。ブランドは2008年に「パナソニック」へ統一しています。2011年には「サンヨー」の三洋電機を完全子会社化しました。

家電に次ぐ収益源が電池です。特に車載向けでシェアが高く、かつては世界1位の座を占めていました。現在は中国や韓国のメーカーが台頭しており、シェアは低下傾向です。2024年は世界6位でした(出所:SNEリサーチ)。車載以外では、データセンター向けの蓄電システムにも強みを持ちます。

第三の柱が「コネクト」です。顧客の課題解決を支援する領域で、ハードウェアとソフトウェアを一体的に提供します。顧客は製造業や物流・流通などのサプライチェーンや、航空やエンターテインメントなど、多岐にわたります。たとえば、北海道の野球スタジアム「エスコンフィールドHOKKAIDO」は同社が演出システムを手がけました。

なお、車載向け電子機器の「オートモーティブ」は縮小傾向です。24年12月に完全子会社のパナソニックオートモーティブシステムズの8割を売却し、持分法適用会社化しました。以降の収益は「その他」に区分されます。

【セグメント情報(2025年3月期)】

※オートモーティブの営業利益は4~11月の約8カ月間。従来のオートモーティブのうち継続事業、および非連結化以降のパナソニックオートモーティブシステムズの持分法投資損益はその他に区分                    出所:パナソニックホールディングス 決算短信