第22回のマーケットトークです。

今回はマーケットの振り返り、そして来週の注目ポイントという流れで進めていきます。

出所:内田氏

まずはマーケットの振り返りからスタートします。先週のドル円相場は147円台まで円高が進みました。第21回でお話しした通りこれはドル安であり、円高ではなかったと考えられます。

さて、今週は146円台も記録しましたが、そこまで大きく円高方向には進まなかったという状況です。まずはドル円相場の過去1週間のグラフを見ていきましょう。

 

週の半ばにかけて146円台を何度か記録しましたが、その後149円台に戻し、足元では148円台となっています。1週間を通してみると、ドル円は下げ渋り、若干ドル高円安という動きになりました。

ドル円が上昇した場面、たとえば149円台に乗せたときや13日夜に148円台半ばに上昇したときは、どちらも米国の物価統計が予想を下回った際にドル高になったという動きでした。

次にドル指数についてお話しします。

 

ドル指数とは、ユーロなど主要6通貨に対する米ドルの総合的な値動きをまとめたものです。計算の内訳を見ると、ユーロに対する米ドルの動きが全体の57.6%を占め、円に対するドルの動きは13.6%を占めており、6通貨合わせて100%となります。

ドル指数を見ると、12日にかけて少しドル安が進みましたが、ドル自体は概ね横ばいで、ここしばらく続いたドル安に少し下げ渋りの動きが出ている状況です。この米ドルの下げ渋りを招いたのは米国長期金利の動きです。週半ばにかけては4.2%割れという場面がありました。

 

本来CPI(消費者物価指)やPPI(生産者物価指数)が予想を下回ったときに、物価の伸びの勢いが弱まれば金利は下がるはずです。しかし今週は、物価統計が予想を下回ると金利が上がるという動きとなりました。