内海浩子さん(仮名)には15歳年上の恵子さんという大切なお友達がいました。2人はカリグラフィー教室で出会い、2年前に恵子さんが亡くなるまで、お付き合いは18年にも及んだそうです。
恵子さんは経営者夫人でしたが、息子さんや娘さん一家とは疎遠なようで、ご主人を亡くした後は広い邸宅に一人暮らしをしていました。そんな恵子さんの心の支えとなったのがペットの猫やカトリック教会でのチャリティ活動でした。
最初に飼った猫を亡くして2匹目の猫を迎えた時、75歳になっていた恵子さんは、将来を案じて万一の時の引き取り先を確保するペット信託の契約をしました。さらには、自分の死後、財産を紛争地域や病気の子供たちを支援する慈善団体に寄付する手続きもしていたようです。それをサポートしたのが、熱量が高くフットワークの軽い20代の専門家でした。「恵子さんは人生の最期にあの方に出会えて本当に良かったと思う」と振り返る内海さんに、恵子さんと専門家の思い出を話してもらいました。
〈内海浩子さんプロフィール〉
兵庫県在住
65歳
女性
専業主婦
元会社員の夫と2人暮らし
金融資産2500万円(世帯)
恵子さんと知り合いになったのは20年ほど前、最寄り駅の近くにあるカリグラフィーの教室でした。当時の私は末っ子が中学生になりようやく自分の時間が持てたことで、ずっとチャレンジしてみたかったカリグラフィー教室に通うことにしたのです。
ほぼ同じタイミングで教室に入ってきたのが恵子さんでした。「還暦の手習いなのよ」と笑っていましたが、ちょうどその頃、ご主人を亡くし、一人暮らしの寂しさを紛らわせる目的もあって、気になる習い事を幾つか始めていたようです。