◆続く「SCHD」人気と史上最高値を更新した「ゴールド」の復調
「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」が第5位にまでランクを上げた。同ファンドは、米国の配当利回りが高い100銘柄で構成される指数である「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス」への連動を目指す「シュワブ米国配当株式ETF(SCHD)」を投資対象とする低コストのインデックスファンドだ。基準価額は横ばいながら、純資産残高は1000億円を超えた。1月23日に「S&P500」が史上最高値を更新するなど米国株価が強い中にあって、同ファンドの動きは投資家にとってはやや物足りないと考えられるが、米国株式の中での分散投資という考え方のもとでは、一定の需要があるものと考えられる。
また、「Tracers S&P500ゴールドプラス」に代わって「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」がトップ10に入ったことも注目したい。分散投資よりも特定の資産に投資する商品の方が選好されているということにみえる。単純に1月末時点の過去1カ月間の運用成績だけを比較すると、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がマイナス0.34%のところ、「Tracers S&P500ゴールドプラス」はプラス6.16%、「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」はプラス5.53%で、「Tracers S&P500ゴールドプラス」が一番だった。ただ、NY金先物は1月末に史上最高値を更新している。「Tracers S&P500ゴールドプラス」は米国株とゴールドに分散投資するファンドである一方、「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」はゴールドのみに投資する。「Tracers S&P500ゴールドプラス」の方が運用成績で勝っていても、売れ筋としては、いちいちデータを比較確認しなければならない分散投資効果よりも、史上最高値更新というわかりやすい事実の方が優先されるのかもしれない。
執筆/ライター・記者 徳永 浩