三菱アセット・ブレインズが発表する「投信マーケット概況」で「複合資産(バランスファンド)」に分類されるファンドの2024年12月の月次資金流入額トップは前月に続いて「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2024-10」になった。前月2位の「のむラップ・ファンド(普通型)」は第2位にとどまり、第4位から第3位に順位を上げた「のむラップ・ファンド(積極型)」と共に上位を占めた。前月第3位だった「Tracers S&P500ゴールドプラス」は第9位に後退。「ROBOPROファンド」が第9位から第5位にジャンプアップした。

 

◆ロボット運用のファンドの順位がジャンプアップ

資金流入額でトップの「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2024-10」は10月31日に設定され、設定後に1年をかけてリスク資産を積み上げて目標とするポートフォリオ(先進国株式50%、新興国株式10%、先進国債券40%)に着地する。信託期間は約5年間という比較的短い期間でもあり、リスク資産に投資することに不慣れな投資家にも支持されたものと考えられる。純資産残高は12月30日時点で約356億円になった。

第5位に浮上した「ROBOPROファンド」は、AI(人工知能)による相場予測に基づき、非常に機動的かつ大胆に投資対象資産の組入比率を変動させて運用するファンド。ファンドマネジャーなど人間による判断を排除し、参照する様々なデータに応じてあらかじめプログラミングされた売り買いの判断シグナルに応じて、組み入れ対象にしている8つのETF(米国株式、先進国株式、新興国株式、米国債券、ハイイールド債券、新興国債券、不動産、金)を機動的に売り買いしている。同ファンドを設定・運用しているSBI岡三アセットマネジメントが2025年1月に出したレポートによると、同ファンドを設定した2023年12月28日から2025年1月15日までの期間で、同ファンドの年率リターンは24.8%で「S&P500」(トータルリターン、円換算ベース)の36.0%、「世界株式指数:MSCI ACWI Gross Total Return USD Index(円換算)」の28.8%には劣るものの、年率リスクは低く、最大ドローダウンも抑制できたという結果になった。リスクを抑えた運用を求める投資家の受け皿の1つになりそうだ。純資産残高は1月21日に300億円を超えた。