日本円が強い展開に

為替を見ていきましょう。

 

青は主要6通貨に対する米ドルの総合的な動き(ドル指数)をまとめたもの、赤がドル円となっています。

週初では、やはりDeepSeekショックが影響しました。米国株と金利が下がり、ドル安円高の動きになっています。

ただ、ドル指数を見てみると、マーケット全般としては少し緊張は緩和し株価も持ち直した。米ドルは週初よりも若干ドル高で終わっています。

対するドル円はDeepSeekショックのときに153円73銭となった後、持ち直したものの上値は重く、週末の方が下落しています。つまり、今週は円高が目立ちました。

次に今週の主要通貨の対ドル変化率も見ておきましょう。

 

スイスフラン、イギリスポンド、ユーロ、カナダドル、スウェーデンクローナいずれもドルに対し下がっていますが、日本円だけは上がっています。

今週の主要6通貨の強弱に順位をつけるなら、円が1番強く2番目が米ドル。その他の通過は下がる。そんな動きでした。今週、ドルはどちらかと言えば強かったのですが、それ以上に円が強かった。

その背景についても考えてみたいと思います。

 

グラフは先物ポジションの中でも短期筋の売買をするような投資家・投機筋のポジションの動向とドル円の動きをまとめたものです。黒い線(レバレッジファンド)は円安を見越して円ショートに傾きかけていると、右下に下がっていきます。

たいする赤い線は、下に行けば行くほどドル高円安、上はドル安円高となっています。

さて2024年の10月を見てみると、トランプ氏の再選が意識され米ドルが上がりました。対して、日銀の利上げは非常に緩やかで円安期待がどんどん強まっていた。

そのため、短期筋が円売りをはじめドル高円安に進みました。ただ、結局ドル円は159円手前でストップしてしまいました。そこにDeepSeekショックが発生した為、円を売った短期筋の人たちが円を買い戻している状況です。

グラフが参照しているデータは1月21日分までしかありませんが、そのあとも黒い線が売っていた円を買い戻す方向に動く、つまりドル安円高方向に動いた可能性は高いと考えられます。

ですから、今週のドル安円高の動きは円にポジティブな円高の材料が出てきたわけではなくDeepSeekショックに誘発された短期、投機筋の円の買戻しが原動力になったと考えられます。