70代はひと月当たりの「最低生活費」をいくらと見込む?

全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から70代の回答を見ていきましょう。まずは「老後のひと月当たり最低予想生活費」についてです。

※家計の金融行動に関する世論調査2024年(二人以上世帯、単身世帯、総世帯の各調査)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」

老後のひと月当たりの最低予想生活費について、70代の単身世帯は30万円、二人以上世帯では35万円と回答しています。この金額が多いのか少ないのか、ほかの年代と比較してみましょう。

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」

20代 52万円
30代 42万円
40代 38万円
50代 24万円
60代 23万円
70代 30万円

最初に単身世帯の回答を見ていきましょう。目を引くのは20代です。全世代で最も高い52万円という回答でした。逆に最も低いのは60代で23万円。50代も24万円と60代に近い水準です。それぞれ20代とは30万円近い差があります。昨今は物価上昇や社会保障費の増額などもあるため、現役世代にとっては数十年先の生活費を予想するのが困難になっているのかもしれません。

もう一つ気になるのが60代と70代が見込む生活費に7万円もの差があることです。70代では人によっては老後生活が始まってから10年以上が経つ人もいるでしょう。体の衰えなどから、医療費や介護費などを考慮して60代より高く生活費を見込んでいる可能性もあるのでしょう。同じ老後世代でも年代によって考える生活費は変わりうるという知見は参考になりそうです。