来週の注目ポイント
来週の注目材料としては、米国では本日の雇用統計に次ぐ重要な経済指標として、消費者物価指数と小売売上高が2日連続で発表される予定です。さらに、FRBの講演や発言機会もあり、今日の雇用統計も踏まえた今後の利下げに関する見解が注目されます。
来週のポイントとして、市場は改めてトランプ第2次政権の発足(トランプ2.0)を警戒しており、特に世界的なインフレへの懸念が高まっています。そのため、長期金利はさらなる上昇の可能性があり、今週は多くの国で株価が上昇したものの、来週は金利上昇に対して株価が上値を抑えられたり、下落したりするなど、不安定な相場展開が予想されます。
特に注目すべきは、米国の消費者物価指数と小売売上高の動向です。両指標が予想を上回った場合、本来は米国経済の強さを示す好材料となるはずですが、経済の強さがインフレ懸念を刺激し、利下げ期待の後退につながる可能性があります。これによりドル高・円安が進行し、日本株と米国株が下落するリスクがあります。いわゆる「グッドニュースはバッドニュース」という展開に警戒が必要な一週間になると予想されます。
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後編では金利と株式の関係、日本の実質金利について解説します。
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