2024年は、日経平均株価がついに34年ぶりの高値を更新し4万円の大台を突破したほか、米国のS&P500指数やナスダック総合指数も過去最高を更新し続け、新NISAにとって最高のスタートダッシュとなった。政治関連のニュースにマーケットが翻弄(ほんろう)される場面もあったが、総じて多くの投資家は順調に成功体験を積めている。
筆者は今年1年をかけて、北は北海道から南は福岡まで、新NISAをテーマとした講演を行ってきた。そこで特に印象的だったのは、月日の経過とともに参加者から寄せられる質問の傾向に変化が見られたことだ。春先は制度概要と、商品では「オールカントリー」に関連する内容が大部分を占めていたが、夏ごろからはインデックス以外の商品や、商品の見直しに関する質問が増えた。
各地の講演で筆者は、「オールカントリー」や「S&P500指数」に代表される王道のインデックスファンドは、「『万能』ではなく、最も『無難』な商品」であると繰り返し述べてきた※。
※【「新NISAはオルカン1本でOK」はホント? 向いている人・向いていない人の決定的な違いとは】ご参照
資産形成の第一歩を踏み出すには適当だが、長期資産形成を実践する上で、これらの商品に縛られる必要は必ずしもない。むしろ、興味を持った地域や資産が出てきたら、少額から投資をしてみることをおすすめすると伝えてきた。そうして経験を積んでいけば、途中で多少失敗することがあっても、投資の引き出しが増え、長い目で見てマネーリテラシーの向上にもつながるからだ。
そこでここからは、NISA初年度の振り返りも兼ねて、今年特に質問が多かった2種類の投資信託、インド株式ファンドと高配当・連続増配株式ファンドについて、活用方法も併せて解説することとする。