悪臭の正体を確かめてやる

その後も臭いが改善される気配はなかった。宗司が管理会社に相談してくれたものの、臭いは日に日に強まるばかりで、郁美はいら立ちを募らせていった。

そしてついに我慢の限界に達した。

「ああっ、もう限界! こうなったら直接確かめにいこう!」

リビングで仕事をしていた郁美は、勢いよく立ち上がるとそのまま自宅を飛び出していった。

原因は分からなかったが、臭いの発生元が貴理子の部屋であることはもう分かっている。いつも穏やかに愚痴を聞いてくれる宗司が家を空けていたため、郁美を止める者は誰もいなかった。

●ついに貴理子の部屋に乗り込む決心をした郁美。悪臭の原因は判明するのか……? 後編【耐えがたい異臭…飼育崩壊の隣人に我慢の限界、猫が増えすぎた「驚きの理由」】にて、詳細をお届けします。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。