税金や年金(分割)受け取りによる総額増加も理解されていた

相談者は勤続37年で、全額を一時金で受け取る場合、退職所得控除額(1990万円)を超えるため税金がかかることは理解されていました。また、確定給付企業年金(DB)を年金のように分けて受け取った方が受取総額は増えることも理解されていましたが、一時金での受け取りを希望されていました。

ご希望をもとにキャッシュフロー表(ライフプランシミュレーション)を作っていくのですが、預貯金などもかなりお持ちであり、一時金で急いで受けらないといけないほど困っている状況ではないようでした。

そこでお節介かもしれませんが、2つのシミュレーションを提示しました。1つはご要望どおり一時金で受け取るパターン、もう1つは確定給付企業年金(DB)を一時金と年金の組み合わせで受け取るパターンです。

一時金で受け取った場合、一時金と年金を組み合わせた場合よりも90歳時点で約400万円少なくなるシミュレーション結果となりました。

どちらの方法でも90歳時点で資金が枯渇しない健全な結果でしたが、シミュレーションを見た結果、ご夫婦は安心され、自信を持って一時金での受け取りを選ばれました。

最後に一時金を選ばれた理由を伺うと、「会社が嫌いというわけではないが、きれいに会社生活を終え、静かに暮らしたい」ということでした。