今回は「数字」について書いてみたいと思います。投資には数字がつきものです。皆さんも毎日、さまざまな数字を目にしたり耳にしたりしているでしょう。数字に振り回されてしまうと、投資を長く続ける上で大きな負担になるかもしれません。少しでも数字に振り回されない方法をお伝えしたいと思います。
日経平均終値、前日比1066円高! 実はこれ、大げさに見せているのです!
2024年2月13日の日経平均株価の出来事になります。1日で1000円以上も上昇し、大きな話題となりましたが、上昇率で言うと2.89%でした。上昇幅で言いますと、日経平均の長い歴史の中で17位に入る上昇幅(額)でしたが、上昇率で言いますと20位が6.27%。実は上昇「率」でいうと驚くべきことでもなく、値動きの大きいよくある1日の数値だったのです。
現在、日経平均株価は最高値付近にあるため、以前に比べて変動額が大きくなっています。2020年のコロナショックや2008年のリーマンショックの時と比較してみると、その違いがよりイメージしやすいことでしょう。
表のとおり、同じ1000円の値動きでも、コロナショックの時期では5%以上の値動き、リーマンショックの時期には10%以上も動いていました。現在の状況を理解しておかないと、目立つ情報に振り回されてしまうかもしれません。
それにしても、1日で日本全体の株価が10%も動くなんて、かなりハラハラしますよね。実際にこれからも同様のことが起こるかもしれませんので、しっかりと自分に合ったリスク許容度内での投資を心がけましょう。
また、幅や額で見ることと、率で見ることには、会話やSNSなどでも注意が必要です。「100万円下がった!」と言われても、それは資産が1億円あるうちの1%かもしれませんし、あるいは1000万円のうちの10%かもしれません。数字は上手に使ってこそ意味があるので、特に他の人やメディアが使う数字のマジックに惑わされないようにしましょう。