<前編のあらすじ>
都内の私立高校で英語教師として働く渡部恵さん(仮名・37歳)は、年明けに会社員の夫との間に第1子が生まれる予定です。
出産を機にマイホームを購入したいと考え、物件探しを始めました。内覧を重ねて新築タワーマンション(タワマン)の候補物件を見つけましたが、販売価格は2億円と高額でした。
世帯年収1800万円のパワーカップルの2人はペアローンでの購入を検討していましたが、双方の両親から猛反対され、マイホームや住宅ローンの事情に詳しい専門家への相談を勧められました。
●前編:【“2億円の新築タワマン”を35年ペアローンで…物件購入目前のパワーカップルに猛反対した「意外な人物」】
タワマン購入に真っ向から反対する双方の親
私は都内の私立高校の教師です。旅行会社に勤務する2つ下の夫とは、もうすぐ結婚3年の革婚式を迎えます。年明けには第1子も生まれる予定です。
結婚後はお互いの職場からドアツードアで30分以内のタワマンを賃貸していましたが、子供が生まれるのを機にマイホームの購入を考えるようになり、今年のゴールデンウィークから物件探しを始めました。
内覧したのは専ら新築のタワマンでした。そして、幸運にも今の住まいの近くで「ここなら!」という物件を見つけたのです。
託児所やキッズルーム、小児科のクリニックも入る子育て環境の整備された物件です。近年のマンション価格の高騰を受け、高層階の部屋だと販売価格が2億円に上っていますが、わが家は世帯年収が1800万円近いこともあり、2000万円の頭金を入れれば残りの1億8000万円はペアローンを組めるという話でした。
そこで初孫誕生を楽しみにしている双方の親に資金援助も期待しつつ相談したところ、「2億円近い借金を抱えるなんて、とんでもない」と真っ向から反対されてしまいました。
そして、うちの母と一緒に、住宅購入や住宅ローンなどに詳しいファイナンシャルプランナー(FP)の小室さんに相談に行くことになったのです。
お金の専門家ということでかっちりした真面目な人を想像していましたが、実際に会ってみると、小室さんは私たち夫婦と同世代で、ファッションもラフな感じでした。
ひょっとして私たちに肩入れしてくれるかもと淡い期待を抱いたのもつかの間、いきなり、「いい物件だけれど、自分が渡部さんだったら今は買わない」と言われてしまいました。