割高な費用を提示する宗教法人に不信感を抱く

墓は探していたため、宗教法人紹介の石材店から300万円で購入しました。リフォームについては、自宅の水回りは決して新しい設備ではなかったものの、リフォームの必要性を感じるほど劣化しているわけでもありませんでした。

しかし、夫から「また不幸が続くと嫌だから、このタイミングでやってしまおう」と言われ、予期せぬタイミングで洗面と風呂のリフォームを行うこととなりました。こちらも宗教法人紹介の業者に依頼し500万円を支払いました。

しかし、明子さんはこの金額に納得していません。「墓が高いのは知っていますが、あんなこじんまりした墓に300万はないと思います。リフォームも、きれいにはなりましたが割高だと感じています。それに、なんだかよく分からないオブジェが洗面においてあって50万円で買わされました。夫にはもちろん言いましたが、宗教を信じきっているので、私の言葉は届かないようです」と言います。

明子さんは、このアドバイスによる支出がきっかけで離婚を現実的に考えるようになりました。「このままだと去年もらった退職金があっという間になくなって、老後生きていけないかもしれません。退職金がある今のうちに離婚しないといけないと思い始めたんです」と言います。

一方で宗教以外の面については、「家事は一緒にやってくれますし、子育てにも協力的でした。とても良い夫です」と言います。穏やかな人で、決して仲が悪いわけではない、とのことです。であれば、離婚しないのが一番良いのですが、生きていくためにはお金が必要です。そこで、1人で生活できるかどうか、筆者はライフプランを作成しました。

●離婚? それとも夫婦2人で生きていく? ライフプランをもとに明子さんが出した答えはどちらだったのでしょうか。後編【夫の“高すぎる宗教費”で老後破産の危機…60代女性が熟年離婚を検討した結果、たどり着いた結論とは?】で詳説します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。