「これからの時代、誰にでも資産運用は必要である」

基本的には、そう言うことができるでしょう。しかし、“資産運用をしてはいけない家庭”もあります。それは、借金がある家庭です。今回は、世帯年収が1500万円あるにも関わらず借金500万円を抱える中田さん夫婦を例にして、資産運用をしてはいけない理由と家計改善の方法をお話します。

高所得なのに“借金生活”に陥ったきっかけ

中田さん夫婦は2人とも50代の正社員で、年収はそれぞれ夫1000万円、妻500万円です。いわゆる高所得者世帯と言えますが、「老後が不安で仕方ありません。破産してしまいそうです」と筆者のところに相談に来られました。

老後が不安で仕方ないという理由は借金です。中田さん夫婦には大学4年生の長男と大学1年生の次男がいますが、貯蓄が底をつきたため、1カ月前に次男の大学資金として教育ローン300万円を借りてしまったというのです。

しかし、状況を詳しく聞いてみると借金は教育ローンだけではありませんでした。中田さん夫婦は5〜6年ほど前、次男の私立中学入学で生活が苦しくなったことをきっかけに、生活費としてキャッシングを利用し始めました。

初めてキャッシングをした時の金額はたった10万円です。

「来月の給料日に返済すれば利息は数千円で済む。今回だけは……」

そう思いながらATMからお金を引き出しました。