集合場所へ到着すると知らない男性が一緒に待っていた

ダーツバーではなぜか、女性の“先輩”だというやんちゃな感じの男性が一緒でした。「こいつが付き合いたい男が来るって言うから、俺がどんなやつか品定めしてやろうってことになって」と言います。

3人でダーツを楽しんだまでは良かったのですが、その後、男性から「ちょっと飲もうぜ」と誘われ、別室に連れていかれました。そして、そこで「サイドビジネスに興味はないか」と、いわゆるマルチ講の勧誘をされたのです。女性はいつの間にか姿を消していました。

今思えば、男性は反社とまでは言いませんが、半グレのグループに入っていそうなタイプでした。僕は「すみません! 公務員なんで副業厳禁なんです」と言ってほうほうの体で逃げ帰りました。翌日すぐにこのアプリのサービスも解約しました。

さすがの僕もこれほどトラブルが続くと、マッチングアプリは無理だと思うようになりました。

そんな時、大学時代の同級生の結婚式に出席する機会がありました。僕が言うのもなんですが、この同級生は鉄道オタクでどう見てももてるタイプではなかったので、ひな壇の花嫁がかわいい人なのに驚きました。

2次会の席で「お前、うまくやったな」と肘をつつくと、「結婚相談所を使ったんだよ」と打ち明けられました。そうか、その手があったかと思いました。

結婚相談所には自分で結婚相手を見つけられない奥手な人が利用する印象がありましたが、同級生の新妻は明るくキュートな美人で、クラスや職場のアイドルになりそうなタイプです。僕もああいう人に出会えるかも、と期待と妄想が膨らみました。

すがる思いで結婚相談所へ相談に行く

それから半月後には同級生が利用した系列の結婚相談所に相談に行きました。婚活アドバイザーという40代くらいのいかにも仕事ができますといった女性が対応し、いろいろ助言をしてくれました。

「阿部さんは高身長で人当たりがいいし、公務員という安定したお仕事をお持ちだし、マッチングされたい女性は多いと思いますよ」

聞けば、女性は20~30代を中心に70人ほど登録していて、僕ぐらいの年齢だと1年以内の成婚率は3割程度だと言います。初期費用が20万円に月会費2万円と、マッチングアプリとは桁違いでしたが、それだけ大きなリターンが得られるのだからと思い切って投資しました。