教師に卵を食べるよう強要されていた
その後、修子はそのまま早退することにして、合流した大吾とともに真奈を連れて帰った。真奈の口からも、何があったのかを聞いておく必要があると思った。
「あのね、高嶋先生が好き嫌いするなって……」
高嶋は、1人だけ給食のスープを受け取らず、スープジャーをとり出した真奈を見とがめて注意したのだという。高嶋から本当にひと口も卵が食べられないのかと詰問された真奈は、「よく火を通せば、黄身は食べられる」と答えた。それを聞いた高嶋が、他の子と同じスープを真奈の机に置いて、食べるまで昼休みに入らせないと言ったのだ。
「何だよ、それ。ふざけんなよ」
大吾が声を荒らげた。修子は言葉こそ飲みこんだが、怒りに震える気持ちは同じだった。許せない。許してはいけない。親として徹底的に戦うべきだ。
修子と大吾は目線を合わせてうなずいた。
●やはり担任教師はうそをついていた……! このまま泣き寝入りするわけにはいかない。 後編【命に関わる事態だった…アレルギー食材を“根性”で食べさせ責任逃れする“昭和な教師”を「撃退した方法」】にて、詳細をお届けします。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。