30年後に取り崩す時はどうすれば?

「若いうちにリスクをとって全世界株式などに投資。いざ60代、70代でリスクを抑えながらどう引き出していけば?」

これは企業型や個人型の確定拠出年金にも共通する悩みです。

解決の1つはファンドを現金化するという方法でしょうか。全資産におけるファンド(株式)の投資比率を下げることで、全体のリスクは下がるという考え方です。そうは言っても、個々のファンド自体の値動きは自体は変わらないので、考え方に慣れが必要だと感じています。

もう1つは投資商品の変更です。確定拠出年金でしたらスイッチングということで、AファンドからBファンドへということで変更しやすくなっています。

ただNISAの場合は、ちょっと手間を掛けた方が良い場合があります。NISAの詳しい説明は省かせていただきますが、仮にNISAの資産が1000万円まで増えたとします。確定拠出年金であれば、投資の売却益に課税されることはありませんので、自由に売却して商品を入れ替えるスイッチングをすることに問題はありません。

一方、NISAの場合は同じく売却益への課税はないものの、年間の投資額に上限(成長投資枠の場合は240万円)があります。同じように1000万円を一気に売却した場合、NISAの成長投資枠では年間240万円までしか投資できませんので、残りは760万円は課税口座(特定口座など)で投資することになります。その後の運用もうまくいけば760万円の方には売却時に課税されることになります。

そのため非課税というメリットをうまく活用するなら、毎年240万円ずつ売却して商品変更をしていけばいいのです。ただ4年と少し掛かりますので、すぐにはスッキリできないという弱点があります。

どちらの方法も一長一短はありますが、ほったらかしにするよりは良いと思っています。

今回は制度ではなく商品管理について、私なりの視点を紹介しました。相談者の方にいつもお伝えしているのですが、私はずっとサポートすることはできませんので、何十年後でも自分で管理できるように商品を選ぶ際もしっかりと未来や目的を意識してもらっています。参考になれば幸いです。