「ホプキンス」再結成!
復帰した翌日には、ごく小さな枠ではあるものの、WEBニュースで『ホプキンス、3年ぶりに復活!』と記事になっていた。
フルタイムのときに比べて2時間早く仕事を終える時短勤務に変わったので、会社からの給与は5万円ほど減った。正社員である事に変わりはないので、これまで通り給与から社会保険料などが引かれる。そのため、手取りは18万円まで減ってしまった。外食を控え、ビールを発泡酒に変更した。生活は少し質素になってしまったが、夕方から漫才の練習ができるのはありがたかった。
宮田は「『ホプキンスが復活するなら協力するよ』と言ってくれている人がいる」と言っていたが、それはうそではなかった。解散前からお世話になっている劇場のオーナーがホプキンスのために舞台の仕事を世話してくれた。給与が減った分を完全にカバーする程ではなかったが、復帰してからすぐに仕事があるのはありがたかった。
復帰してからしばらくは普通の漫才をやっていたが、宮田から「お前、不動産屋で働いてるんだろ。それを生かして『不動産仲介あるある』とかやってみようや」と言われ、試してみることにした。
ダメもとで始めた「不動産仲介あるある」だったが、意外なことにかなり好評を博した。劇場で披露しても、他のネタよりもお客さんの反応が良い。久保田と宮田は手応えを感じていた。そして「不動産仲介あるある」のネタを引っ提げて、日本で最も有名な漫才のコンテストに出場することになった。
いくつもの予選を勝ち抜き、準決勝も突破した。決勝戦は地上波で全国に中継される。ホプキンスがテレビのゴールデンタイムに進出するのは解散前も含めて初めてだった。
3年間のブランクを乗り越え、ビッグチャンスをつかんだのだった。もしも優勝できれば、人気お笑いコンビの仲間入りだ。