状況にあわせて現金比率も考える
バランス型の投資と言っても、リスクが完全に排除されるわけではありません。そのため、例えば「バランス型投資信託:現金=70%:30%」と、資産をある程度現金で持つとより安全です。この比率の適正範囲は、許容できるリスクにより異なります。年金などの収入が多いほど、現金比率は低くてOK(リスクを取ることができる)。逆に収入が少ない場合は、資産を守るために現金を多く持つ必要があります。
NISA制度には非課税投資枠があり、手元にお金がある人ほど「枠を埋めきらないと損!」と考えるかもしれませんが、重要なのは枠の消化ではなく、自分の許容リスク(損失が出ても耐えられる範囲)内で投資するという考え方です。
さらに、新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠のどちらを使うかよりも“どの割合で、どの商品に投資するか”に目を向ける。そして実際に投資する際に、使える枠を使う……という意識でOKです。
他人の話をうのみにせず自分でも知識をつける
そして、商品を選ぶうえで気をつけたいことがもう1点。これまで仕事一筋で、退職金がたくさんあるけど投資は右も左もわからない……そんな状態で証券会社に相談に行くと、営業マンに勧められるがままに手数料の高い商品を買ってしまうかもしれません。
このように、退職金を使った投資で気をつけてほしいのは「知識をつけず証券会社に行き、そこでおすすめされた商品を勧められるがままに買わない」ことなのです。
投資経験がなく、退職金でたっぷりお金を持っている人に対して証券会社は優しく、親身に相談に乗ってくれるはずです。しかし投資の知識がゼロの状態だと、勧められた商品の良しあしを判断することもできません。
そのため、おすすめをうのみにしてそのまま買うのではなく、自分でも最低限の勉強をして良しあしを判断できる状態になることが重要です。土台となる知識をしっかりつけたうえで投資先を探すことがベストです。