ゆうちょ銀行・郵便局の売れ筋の2025年3月のトップは「iFree S&P500インデックス」で、第2位以下は「つみたて先進国株式」、「大和 ストック インデックス 225ファンド」、「つみたて全世界株式」、「つみたて日本株式(TOPIX)」、「つみたて全世界株式」になった。「つみたて日本株式(TOPIX)」が1月の第9位から第4位にジャンプアップしたことでトップ10の上位5銘柄を株式インデックスファンドが占めた。第6位以下は、「JP4資産均等バランス」、「野村6資産均等バランス」、「野村世界6資産分散投信(成長コース)」、「JP4資産バランスファンド 安定成長コース」、「JP4資産バランスファンド 成長コース」となり、グローバル分散投資型のバランスファンドが並んだ。
◆「S&P500」をトップに株式インデックスファンドが上位
ゆうちょ銀行・郵便局の売れ筋ファンドランキングのトップに米国「S&P500」に連動する「iFree S&P500インデックス」がすわり、第2位に日本を除く先進国株式インデックス(MSCIコクサイインデックス)に連動する「つみたて先進国株式」が位置するという状況が、1月に続いて3月も変わらなかったことに、米国株式市場に対する根強い信任を見るように感じる。
1月の時点では2024年の市場を引き継いで米国株式は史上最高値を更新する勢いで上昇していた。ところが、2月19日に「S&P500」が史上最高値を記録して以降は、米国株式市場の変調が目立ち始め、2月は月間で「S&P500」が前月末比マイナス1.42%と反落し、3月はさらにマイナス5.75%と一段安に沈んだ。この傾向は、米国株が指数構成比で約7割を占める「MSCIコクサイ」でも同じで、2月にマイナス0.68%、3月はマイナス4.71%だった。
このように市場が下落基調にあっても海外株式ファンドへの購入意欲が衰えないのは、中長期の市場見通しを考えれば、世界の株式市場のけん引役は引き続き米国株が務めるのではないかという期待感があるのだろう。
一方、国内株式市場は「日経平均株価(日経225)」が1月以降は前月末比マイナスが継続している。1月がマイナス0.81%、2月はマイナス6.11%、3月はマイナス4.14%という実績だった。年初からの下落率が10%を超え、これほど短期で大きく下落してしまうと、過去の経験に照らせば回復に転じるには相当の「変化」が必要とされる局面だ。にもかかわらず、「大和 ストック インデックス225 ファンド」の人気は変わらず、「つみたて日本株式(TOPIX)」は売れ筋ランキングの順位を大きく上げた。この動きは、3カ月連続で下落したことによって国内株式に底入れ・反転の期待が高まっていることの表れだろう。
ただ、4月になって株価は一段安となった。4月2日に発表された米国の「相互関税」の内容が、事前の予想を上回る大幅な関税率となっていたため、貿易の停滞による世界経済の先行き不安が一気に拡大してしまったためだ。その後、米国は関税の実施を90日間保留し、対象各国との交渉を進めることを表明した。交渉が始まったことで株価の下落は止まったものの、株価の水準は4月23日時点で3月末を下回ったままだ。3月の下落相場にあっても株式インデックスファンドが支持を集めた流れが4月の混乱後も継続しているものか、今後の動向が注目される。