各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、みずほ銀行のデータをもとに解説。

みずほ銀行の投信売れ筋ランキングの2025年7月のトップは2024年11月から9カ月連続で「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」だった。そして、前月は第3位に後退していた「キャピタル世界株式ファンド」は第2位に浮上した。前月第4位の「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」が第3位に上がった。第5位には「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が第6位から浮上した。一方、第7位に「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」、第9位に「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカICA」が上がるなど、米国テクノロジー株人気が復調している。また、トップ10圏外から「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が第8位にランクインした。

 

米国テクノロジー株の復権なるか?

みずほ銀行の売れ筋トップはバランス型の「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」が独走しているが、7月のランキングでは「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」、「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカICA」など、米国のテクノロジー株式の組み入れ比率が高いファンドが上昇した。6月に人気化した「JPモルガン・グランド・アセット・アロケーション」などバランス型は一服し、昨年から年初にかけて人気だった米国テクノロジー株が再び物色の中心になる状況に戻った印象だ。

「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」は、ファンド名の通りに米国テクノロジー株の成長に焦点を当てたファンドだ。「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカICA」も米国株に厳選投資するファンドとして、組み入れ上位銘柄は、マイクロソフト、ブロードコム、メタ・プラットフォームズ、アマゾン、エヌビディア、アルファベットといったテクノロジー企業が上位を占めるポートフォリオになっている。

実際に2025年1月からのファンドパフォーマンスを振り返ると、世界の株式から厳選投資する「キャピタル世界株式ファンド」が一貫して米国株ファンドより優位なパフォーマンスだった。特に、4月の下落局面では下落率が抑えられ、その後の回復局面でも先行する動きだったが、6月以降に米国株ファンドが急速に出遅れを取り戻している。「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」は4月の下落率が大きかったために、「キャピタル世界株式ファンド」との格差が一時は大きくなっていたが、その差を詰めてきている。

米国株式の復調が本格的なものになるかどうかは、これから年後半に向けての米国の経済状況しだいだろう。9月FOMCで米国FRBは利下げを行うという見方が強く、その動きが株式市場の追い風になるという見方が大勢だが、その期待通りの動きになるのだろうか。予断を持つことはできない。現在のランキングが「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」で第7位というのは、まだ、米国株の先行きに確信は持てていない水準といえる。4月には同ファンドは第5位だった。今後の動きに注目していきたい。