三菱アセット・ブレインズがまとめた2025年7月の公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の新規設定ファンド数は30本と前月(26本)から増加したものの、設定総額は約480億円と前月(約1900億円)から大きく減少した。新規設定額ランキング(設定額は設定日の純資産額)でトップは、あおぞら投信の単位型ファンドである「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2025-07」の約157億円だった。第5位に姉妹シリーズの「あおぞら・新グローバル・プレミアム・ファンド(当初漸増期間付、限定追加型)2025-07」(約27億円)もランクインした。第3位に「ヌビーン・CMBSインカムF2025-07(ヘッジなし・限定追加型)」(約67億円)、第7位に「ヌビーン・CMBSインカムF2025-07(ヘッジあり・限定追加型)」(約13億円)、第6位に「One円建て債券ファンドⅤ2025-07」が入るなど、前月同様に新規設定額上位に単位型ファンドが目立っている。

 

期間5年の単位型投信「ぜんぞう」が40本目

新規設定額でトップの「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2025-07」は、世界の株式と債券に分散投資し、1年かけて株式の組入比率を5%程度から60%程度まで段階的に引き上げる。また、基準価額11500円以上で安定運用への切り替えを行う。愛称「ぜんぞう」として2014年8月に初回設定されて以降、7月で通算40本目の設定になった。

同ファンドを設定・運用するあおぞら投信は2025年5月に、あおぞら証券との合併を発表した。あおぞら投信を存続会社としてあおぞら証券を吸収合併する。新会社の発足は2026年4月1日付だ。合併によって個人向け公募投信ビジネスは、地域金融機関から証券会社にも販売網を広げて預かり資産の拡大をめざす。また、地域金融機関を中心とする機関投資家向け私募投信ビジネスにおいては、付加価値の高い商品提供に努めるとしている。三菱アセット・ブレインズでは「(合併によって)当シリーズもさらなる認知向上と資金流入の拡大が期待される」としている。

また、「あおぞら・新グローバル・プレミアム・ファンド(当初漸増期間付、限定追加型)2025-07」は、株式の組み入れ比率を1年かけて徐々に引き上げる運用方法には変わりがないものの、基準価額11500円以上で安定運用に切り替える条件が付与されていない。1年後に株式60%、債券40%のバランス型ファンドとしての運用が継続する。信託期間は2047年4月22日までと20年以上にわたる期間があり、NISA成長投資枠の対象ファンドになっている。

「ヌビーン・CMBSインカムF」は、CMBS(商業用不動産担保証券)を主たる投資対象として信託財産の成長と安定的なインカム収入の確保をめざす。投資するCMBSは約5年の信託期間内に償還を迎える証券に投資して原則として償還まで保有する運用を行う。実質的な運用を担うヌビーン・アセット・マネジメントは、世界最大級の年金運用機関であるTIAA(米国教職員退職年金/保険組合)傘下の世界的な資産運用会社でCMBS等の運用で高い知見と運用実績を持っている。

「One円建て債券ファンドⅤ2025-07」は国内外の企業が発行する円建ての債券(劣後債等を含む)、円建てのソブリン債(国債、国際機関債、政府関係機関ならびに地方自治体が発行する債券)を主要投資対象とする信託期間が約5年4カ月の単位型ファンド。円建て債券を投資対象としているため為替リスクがない。