新NISA開始まであと少し。前回の記事ではネット証券と対面証券の違い(【新NISA】ネット証券 vs 対面証券―口座開設するならどちらが正解? 隠れたメリット・デメリットも解説)を紹介しましたが、今回は新NISAで「やってはいけない投資」を2つご紹介します。

①「成長投資枠」でやってはいけない投資

新NISAでは、長期投資に適した「つみたて投資枠」と、個別株や高リスクの投資信託に投資できる「成長投資枠」があります。この2つの枠をどのようなバランスで、どう使っていくか……。その前に、実は注意しておきたいことがあります。それは成長投資枠で、絶対にやってはいけない取引です。

結論からお伝えすると、絶対にやってはいけないことは……「インサイダー取引」の恐れがある行為です。インサイダー取引とは、簡単に言うと「未公表の情報を利用し、フライングで取引してもうけようとすること」です。

例えば、仕事で取引先から情報を得てしまうケース。あなたがA社の財務担当者と話していて、こんな話をポロっと聞いてしまったとき。「いやぁウチの会社、今年は業績が良くてね。今期の利益は、昨年の2倍になりそうなんだよ」……この情報を知り、「なるほど、A社の決算はそんなに良いのか。よし、コッソリ今のうちのA社の株を買っておこう!」このような行為は、インサイダー取引に該当しています。

インサイダー取引に該当するかどうかは、取引数量や、実際にもうかったかどうかはまったく関係ありません。あくまでも“未公表の会社情報を利用し、株式投資などを通じて利益を得ようとしたか”がキーとなります。そのため、「数十万円ぐらいの投資なら良いか」「大きく利益が出たわけじゃないし良いか」は通用しません。バレてしまった場合、金融商品取引法に基づき罰則が科される可能性があります。

新NISAで株式投資デビューした場合、どうしても普段の取引先や親族・友人が勤める会社の株など、自分に身近な銘柄が気になってしまうかもしれません。しかし、あまりにも付き合いの深い先に投資すると、持っている情報によってはインサイダー取引に該当する恐れもある……投資以前に、このような知識はしっかりと前提として持っておきましょう。