夢の不労所得!? 「隔月分配型」の投資信託とは?

最後は少し視点を変え、「隔月分配型」の投資信託を解説していきます。

隔月分配型とは、「2カ月に1回、分配金が出る投資信託」のことです。通常の株式投資で得られる配当金は、年1~2回であることがほとんど(業績によっては、配当金が出ない場合もあります)。それに比べ、隔月分配型の投資信託であれば年6回もの分配金を受け取ることができ、なんだかおトクな気もします。一方、このタイプの投資信託には2つの注意点があります。

1つは、実質的に元本が取り崩されること。隔月分配型の投資信託では、原則としてファンド内で利益が出ようが出まいが、決まったタイミングで決まった額の分配金が支払われます。したがってファンドで利益を出せない場合、“分配金“はただ自分の投資元本が取り崩されているだけ、となってしまうのです。

そしてもう1つは、信託報酬の高さです。投資信託から資産を取り崩し、分配金として投資家全体にお金を還元する。この大変な作業を年6回も行うので、それなりに運営側のコストがかかってしまいます。当然ながらそのコストは投資家が負担する必要があり、どうしても信託報酬が高くなってしまうケースが多いのです。

一方、隔月分配型の投資信託にもメリットはあります。それは、自動的に年金を補完できることです。年金支給日は偶数月なので、“奇数月に分配金が支払われるファンド”を選ぶことで、老後の生活安定につながります。実質的には自分が積み立てたお金を取り崩しているだけとはいえ、それを自動でやってくれるのはかなりラクです。

ちなみに隔月分配型の投資信託を購入するのであれば、NISA制度の活用はほぼ必須。その理由は、分配金の受け取りには税金がかかるためです。もしNISAを使わず隔月分配型の投資信託を買った場合、「自分で積み立てたお金を、20.315%の税金を払いながら取り崩す」ことになってしまうのです。商品のメリット・デメリットを理解し、使える制度は最大限に使っていきましょう。

参考
・一般社団法人投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品(2023年12月1日現在)」