「インド株」って実際どう?

続いて、さらに突っ込んだ投資商品を見ていきます。特定国の株式に投資するファンド……具体的には、「ニッセイ・インド厳選株式ファンド」といった投資信託などです。

世界的にも、今後インドの注目度は高くなると予想されます。例えば人口面は、すでにインドは世界一。平均年齢も28歳と若く、ただ人口が多いだけでなく“活力にあふれた国”と表現することができます。さらに、インドでは英語が準公用語となっているほか、ITや数学に強い人材も多く、よりグローバルな活躍が見込まれるでしょう。

すでに成熟した先進国と比べ、人口がどんどん増えているインド。投資の観点から見ると「フレッシュにバリバリ働ける人が多く、今後株価が大きく伸びる可能性を秘めている」と評価できます。

この話だけを聞くと、「そんな将来性のある国、絶対投資すべきでしょ!」と思うかもしれません。一方で、このように急成長している国には、やはり特有のリスクが潜んでいます。

そのリスクを一言でいうと、「インフラ・政治ともに不安定である」ことです。経済は急成長しているものの、主要都市以外での物理的なインフラ(道路や水道・電気など)が貧弱。政権交代により、ビジネスに関する制度や対外的な規制が大きく変わる可能性があるなど、政治リスクが比較的高い。先進国と異なり、“あらゆる基盤が整っていない”という点は、やはりリスクでしかありません。このように、急成長する国は大きく伸びる可能性を秘めつつも、ちょっとしたきっかけで株価が暴落するリスクがあるのです。

「インド株」に集中投資する商品は、確かにリターン面で魅力的です。一方で、“インド株1本への投資”はあまりにもリスクが高く、個人的には推奨できません。このような商品は、分散投資先の1つとして見るのがおすすめです。