2024年から始まる新NISA。前回の記事【【新NISA】初心者が陥りがちな疑問を解決! 外国税って何? iDeCoとどちらが優先? etc.】に引き続き、今回も新NISAにまつわる代表的なギモンに回答します。ぜひ参考にして、制度開始に備えてください。

Q1.ロールオーバー制度はどうなった?

旧NISAを使っている方は、「ロールオーバー制度はどうなったの?」と気になっているかもしれません。結論から言うと、旧NISAのロールオーバーの考え方は、2024年からはなくなります。ところで、そもそもロールオーバーとはどんな仕組みなのでしょうか。「一般NISA」を例に、簡単に解説していきます。

まず、一般NISAでは年間120万円までの投資が可能。非課税期間は5年間で、合計600万円まで投資できます。一般NISAで年120万円の投資を5年続けると、1年目は120万円、2年目は240万円……と、5年目に初めて投資額が600万円に到達します。

ここでやっかいなのが、6年目の扱い。6年目になると、「1年目に投資した120万円の資産」が非課税期間から外れてしまう。つまり、そのまま投資を続けると配当金などに税金がかかってしまいます。

一方で、一般NISAでの投資額は480万円になり、120万円分の投資枠が復活します。この「6年目になり、枠から外れた資産」と「新しく生まれた枠」を相殺するのがロールオーバー制度です。

つまり、非課税期間が過ぎてしまった資産を新しく生まれた枠で投資すること。1年目に買った資産を6年目の枠で再運用、2年目に買った資産を7年目の枠で再運用……と繰り返せるのです。

ただ、この制度はとにかくややこしい! この記事では可能な限りかみ砕いて解説しましたが、ロールオーバー制度を初めて知った方は一度で理解することは難しいでしょう。ですが、もはや今となっては理解する必要もありません。おさえておきたいポイントはただ1つで、「2024年からはロールオーバーを考えなくていい」という点だけ。もう少し詳しく言うと、

・新NISAは非課税期間が無期限なので、「非課税期間から外れる」ことがない=ロールオーバー不要
・2024年からは旧NISAの新規投資ができないので、ロールオーバーもできなくなる

と、新旧どちらともロールオーバーの考え方がなくなるのです。