扶養に実父を入れることの影響は?

収入がゼロというのは困ったことですが、不幸中の幸いと言うべきか、税制上の扶養には何の問題もなく入れます。

さらに、恵理子さんのご主人の年収は約900万円とのことで、計算すると、お父様を扶養に入れることで所得税と住民税を合わせて15万円ほど節税できそうです。そのことを伝えると、「そんなにも節税できるのですか⁉」と恵理子さんは目を丸くしていました。

しかし、収入がないお父様は税金を納める必要こそありませんが、「後期高齢者医療保険の保険料」や「介護保険料」など社会保険料は納めなければいけないことに注意が必要です。

特に、介護保険料は世帯の所得も関係します。お父様の収入がゼロであったとしても、恵理子さん家族と一緒に暮らすことで、お父様の介護保険料がアップしてしまうのです。

もちろん、お父様には保険料を捻出するための収入がありませんから、この場合は恵理子さんのご主人が保険料を負担することになります。ご主人が負担することになるお父様の介護保険料は、年間6〜7万円ほどになるでしょう。

お父様の社会保険料を負担した時は、ご主人の社会保険料控除として年末調整できますから、この点は忘れずに申告が必要です。