定年後に仕方なく働く人、生き生きと働く人

実際、定年後に働いている人を見てみると、「仕方なく働いている人」と「生き生きと働いている人」にはっきりと分かれます。両者を分けるのは、現役時代の仕事への取り組み方と前向きに行動する力の違いにあります。

1.現役時代の仕事への取り組み方

現役時代に仕事の質を高めてきた人は、定年後も仕事で培ってきた経験を上手く活用し、生き生きと働いています。

長いサラリーマン時代で得た知識・スキル・経験は会社を離れても消えるものではなく、時代に合わせて応用することで、定年後もその人の強みになるからです。それをさらに強化できる人は求められる人材になり、新たな仕事へとつながっています。

一方、現役時代にそれほど専門分野を極めていない場合、必要とされるレベルに至らず、定年後のキャリアで苦労することになってしまいます。その結果、やりたい仕事より、できる仕事を優先することを余儀なくされるのです。

したがって、自分の強みを活かして、定年後により高い確率でやりがいのある仕事を獲得するためには、現役時代から前向きに仕事に取り組むことが大切だと言えます。

2.前向きに行動する力

もう1つ、生き生きと仕事をする人に必ずと言っていいほど共通しているのは、「前向きに行動を起こす力」を持っていることです。

定年後も仕事を続けようとすると、厳しい条件を突き付けられる場面がよくあります。再就職のため就職活動をするも何十件も決まらない。年齢を理由に断られる――。そうした逆境の中でも諦めず前向きに行動してきた人が、自分の望む理想の仕事に出会っています。

先のことを考えると不安も大きいかもしれませんが、考えているだけでは何も生まれません。行動することで初めて次の展開が生まれます。

時に「失敗した」と思うこともあるかもしれませんが、長い目で見ると次の展開に必要なのだと考え、行動を起こし続けられる人にチャンスが訪れるのだと思います。

***
 

では、実際に生き生きとした定年後を過ごしている人は、どのようにセカンドキャリアを選択しているのでしょうか。苦労の中でも何らかの「きっかけ」で自分に合った働き方を見つけ、今を楽しんでいる人のケースを紹介します。