iDeCoの商品数の多さが普及を阻んでいる?

iDeCoという制度が老後資金を準備するのにいい制度だということは、10年前から比べると多くの方に知られるところとなりました。「老後資金準備」というのは、多くの方の資産形成の目的の代表的なものですから、iDeCoを利用する方がもっと増えてもいいと思うのですが、加入して積み立てをしている方は加入可能な国民年金被保険者数の5%程度にとどまっています。

iDeCoへ関心を持ちながら加入に至っていない方々のお話を伺うと、加入のために決定しなければならない「掛金額」「金融機関」「運用する商品」という3つのうち、やはり、3番目の「運用商品」の部分が高いハードルになっているようです。

iDeCoで各社が提示している商品数はじわじわと増え続け、2023年3月25日時点では平均22.6本(iDeCoナビ掲載情報より)となっています。この数年、人気となっている外国株式型投資信託のパッシブファンドも複数並んでいていることが珍しくありません。同じ運用会社のほぼ同じ商品名で最後まで確認しないと投資対象が全世界だったり、米国などの特定の国へ投資するものだったり、さらには運用コストが違う商品が並んでいるケースもあります。複数の資産を組み合わせたバランス型はさらにバラエティに富んでいますから、ラインアップにある商品数も相当な数です。

投資への関心が高まり、iDeCoで投資信託デビューを考えている方にとって、決めるためにいろいろと並んでいる商品を識別して理解するだけの知識と情報を身に付けるのはひと苦労です。多くの方が、商品選びで挫折し、普及を阻んでいるように感じます。