かつて日本でも銀行破綻はあった

アメリカでは、この春いくつかの銀行が経営破綻するという事件が起きました。日本での銀行の破綻といえばDCという制度がスタートする直前の1990年代末に北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行といった規模の大きな銀行で破綻が相次ぎました。ですから2001年のDC制度が始まった当時は、金融機関が破綻した時の扱いについて関心が高く、必ず説明していました。

しかし、それから20年以上たった今では、説明する側も、される側もこの話題に触れることがめっきり少なくなっています。そこで、万が一に備えて、今回は金融機関が破綻した場合の企業型DCやiDeCoへの影響について確認したいと思います。

銀行が破綻したら、預金はどうなる?

企業型DCやiDeCoにおいて、銀行・保険会社・証券会社のいずれも、運用商品である預金・保険・投資信託の販売会社として関わる場合と、運営管理機関として加入者サイトを通じて商品や制度の情報提供をしたり、手続きの窓口になったりという形で関わる場合に大きく分かれます。

まずは前者の運用商品販売会社の立場である金融機関が破綻するケースから解説します。「定期預金」を提供している銀行が破綻してしまった場合には、その金融機関に保有している預金を合算して、元本1,000万円までと破綻日までの利息が預金保険機構によって保護されます。ペイオフと言われる預金者保護の仕組みです。合算して1,000万円を超える部分は、ペイオフの対象ではないので、破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われることになります。つまり、一部カットされる場合があるということです。

合算対象の預金は、当座預金、利息の付かない決済用預金や外貨預金は含まれません。それ以外の普通預金、定期預金、そして、企業型DCやiDeCoで保有している定期預金が対象です。合算して1000万円を超える場合、企業型DCやiDeCoで保有している定期預金よりも、それ以外の定期預金等が優先して保護されます。

ですから企業型DCやiDeCoの運用商品として定期預金を利用する場合、ペイオフのことを考えると、多くの預金をお持ちのメインバンク以外に預けるというのが対策になります。