ライバルの影響で「ボーディングスクールに進学したい」

小学校に入ってから通知表はほぼオールA(3段階評価の3)。同居する親も「悠真はまさに『トンビがタカを生む』だな」と相好を崩し、高価な英語の教材を買ったり、塾に通ったりする費用を援助してくれました。

中学生になった悠真にはライバルが現れました。同じ英語部の漣(れん)君です。小学生の頃から東京の有名な塾に通っていたという漣君は、全国統一中学生テストで2ケタの順位を取るくらい優秀です。地方の子供と思えないくらい髪型や服装、持ち物も洗練されていて、聞けば、ご両親とも開業医ということでした。悠真と漣君は学年トップを争う良きライバルであり親友ともいえる仲で、試験前などは一緒に図書館で勉強したりしているようでした。

そんな自慢の息子から、「相談したいことがあるんだけど」と言われたのは昨年秋のこと。進路に関する話でした。「漣君は中学校を卒業したらボーディングスクール(全寮制の国際高等学校)に入って、その後は海外の大学で勉強したいと言っている。できれば、自分も漣君と同じボーディングスクールを受験したい」というのです。

私も妻も、ボーディングスクールに関する知識がほとんどありませんでした。早速調べてみたところ、漣君が目指しているのは海外のボーディングスクールの日本校で、全寮制ということもあり、学費が年間500万円近くかかることが分かりました。恥ずかしい話ですが、手元の預金は300万円程度しかありません。親に頼めばある程度の援助は望めるかもしれませんが、その後の大学進学も考えると、かかるお金は軽く2000万円を超えそうです。

悠真の教育に前のめりな妻は、地元の銀行に最大3000万円の教育ローンがあることを調べてきて、「お義父さんに相談してうちの土地を担保に入れれば、大学の資金も合わせて3000万円くらいは借りられると思う。悠真が行きたいと言うんだから、行かせてあげましょうよ」とせっつきます。「うちは住宅ローンがあるわけでもないし、3000万円のローンくらいは返していけるでしょ?」と。

親も「悠真が行きたいなら援助しよう」と言ってくれましたが、思わぬ横やりが入りました。正月に帰省した弟が母から悠真の進学話を聞いて異を唱えたのです。

「父さんも母さんも悠真、悠真というけれど、孫は悠真だけじゃないんだよ。少しはうちの娘たちに気を使ってくれてもいいんじゃないの?」