義妹から思いがけない話が
金融機関に就職した弟は都内にマンションを購入し、2人の娘を私立に通わせています。義妹もフルタイムで働いていて、懐具合はわが家よりずっといいはずです。恐らくは金銭的な問題よりも父母の露骨な悠真びいきが気に障ったのでしょう。しかし、真に受けた父が「悠真は特別だ。これだけ賢い子はわが家の宝だから、本人の望む教育を受けさせてあげればいい」と返したため、その場の雰囲気が険悪になりました。
「父さんは知らないだろうけれど、ボーディングスクールというのは海外の大金持ちの子弟のための学校だよ。こんな田舎の工員の息子が通うのは身分不相応でしかない」。弟は悠真もいる前できつい言葉を吐くと、妻子を連れてさっさと帰路についてしまいました。
一方、この一件で悠真自身にも悩みが生じたようでした。「僕は地元の公立高校に行くべきなのかな」と漏らすのを聞くと、自分にせめて弟並みの経済力があったらと情けなくなりました。
義妹から電話があったのは、そんな時でした。
「お義兄さん、この前はすみませんでした。悠真君の前で大人げなかったと本人も猛省しています。その件で差し出がましいかもしれませんが、専門家を紹介できたらと思ってお電話しました。私が銀行に勤めていた時の同期が今ファイナンシャルプランナー(FP)をしています。教育の分野に詳しいので、よろしければ相談してみませんか?」
●驚きの提案と助言に夫婦で感動? 続きは後編【「工員の息子」心無い言葉を吐かれ苦悩…親が取った行動で人生大逆転】で紹介します。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。