竹内香織さん(仮名)はフラワーショップで週3日働くパート主婦。現在は都心の賃貸マンションにご主人の裕介さんと暮らしていますが、2年前までは近県の裕介さんの実家で義母と同居していました。裕介さんは中学生の頃に父親を亡くしており、義母はその後、女手一つで裕介さんと妹の瑤子さんを育ててきました。「夫は優しい人なので、同居を決めたのはそんな義母への感謝の気持ちがあったからだと思います」と香織さん。

しかし、同居はうまくいきませんでした。近くに住む瑤子さんが、何かにつけ実家を頼ってきたからです。当時専業主婦だった香織さんは、ワーキングマザーの瑤子さんに代わって何度も熱を出した甥のお迎えに保育所まで足を運びました。香織さんの堪忍袋の緒が切れたのは、義母が瑤子さんと甥にだけ暦年贈与をすると言い出した時です。これには裕介さんもあきれ、2人は実家を出ることを決意します。

当然、その後は瑤子さんが義母と同居するものと思っていましたが、瑤子さんは同居を拒否。しかも、義母に認知症の症状が現れたのをいいことに、さらに好き勝手を働いたのです。「同い年ですが、私は彼女のことが全く理解できません。ただ、夫は一生彼女のことを許さないと思います」という香織さんに、恐るべき“モンスターシスター”が取った行動を振り返ってもらいました。

〈竹内香織さんプロフィール〉
東京都在住
38歳
女性
パート(現在)
会社員の夫と2人暮らし
金融資産750万円

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「香織さん、今、瑤子から電話があって、また陽翔(はると)が熱を出したようなの。保育所に行ってもらえないかしら」

習い事の教室に出かけようとした矢先、携帯電話を手にした義母が心配そうな顔で寄ってきました。フルタイムで働く義妹は手が離せないので、発熱した甥を代わりに保育所まで迎えに行ってほしいというのです。「分かりました」と急いで家を出ると、「陽翔は具合が悪そうだから、帰りはタクシーを使ってね」という声が追いかけてきました。