商船三井の今後の業績

これは会社四季報の二期予想が参考になると思います。

最新の2023年1集(新春号)に掲載されている、2024年3月期決算予想は、減収減益です。ちなみに経常利益は2023年3月期予想の8000億円から4000億円に、純利益は7900億円から3900億円まで大幅に減る見通しです。そしてこれも四季報の予想ですが、2024年3月期の配当予想は270円です。

仮に株価が3000円だとしたら、270円の配当で配当利回りは9%まで低下してしまいます。それでも9%は十分に高いのですが、業績次第ではさらに減配されることも考えられます。

ちなみに配当金が15円だった2019年3月期決算の時の配当利回りを計算すると、その時点での株価が大体800円前後ですから、配当利回りは1.875%でした。商船三井の配当利回りには、この程度のブレがあると言えます。

結果、15%超の配当利回りを見てこれから投資すると、業績後退による減配と、それを悪材料にした株価下落によって、むしろ損失を被るリスクの方が高いとも考えられるのです。

減配で損失を被るリスクを軽減する方法

この手のリスクを軽減させるためには、2つの方法が考えられます。

ひとつは、景気に左右されず、業績が安定している企業の株式に投資することです。この手の企業はそう簡単に減配をしないので、逆に株価が安い時に仕込んでおけば、配当利回りを改善できます。

もうひとつの方法は、投資信託を買うことです。ちなみに「東証配当フォーカス100指数」への連動を目指すETFもあります。

日興アセットマネジメントが設定・運用している「上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)」がそれにあたります。2023年2月24日の株価で計算した分配金利回りは3.67%です。

東証配当フォーカス100指数の上位10銘柄の配当利回りと比べると、やや見劣りする感覚はありますが、このETFは100銘柄への分散投資を前提にしたパッケージ商品ですから、指数構成銘柄の一部で業績が悪化し、減配されたとしても、分配金利回りが大きく悪化することはないでしょう。

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資産形成では、自分のポートフォリオの利回りを高めておくことも大事です。

たとえば複数の個別銘柄に3000万円ほど投資して、その平均的な配当利回りが4%だと想定したら、年間120万円(税引前)の配当を得ることができます。リタイヤ後はこれに公的年金を加えれば、生活費をかなり賄えると言えるでしょう。

もちろん3000万円を一度に投資するのはなかなか大変なことですが、若いうちから時間をかけて少しずつ株式のポートフォリオを増やしていけば、決して非現実的なプランではありません。