「保険は裏切らない」義母の教え信じる妻

結婚してからは私の収入で生計を立ててきたこともあり、妻の年収くらいは把握していましたが、資産についてはノータッチでした。ですから、その時、妻の資産の9割が保険商品に置いてあることを知って驚きました。城田さんも同じだったらしく、「奥さまの年齢では珍しいですね」と理由を尋ねたところ、妻はこう説明しました。

「株式は紙クズになるけれど、保険は裏切らないから」

それもまた義母の影響だったようです。株式や不動産に手広く投資していた親族がバブル崩壊で破産の憂き目に遭って以来、義母は投資を目の敵にするようになり、妻にも「株式投資はギャンブル。運用するなら保険が確実」と教え込んでいたのです。

そんな妻に、城田さんは穏やかに話しかけました。

「私は世の中に絶対確実なものはないと思っています。それは、資産運用の世界も同じです。ですから、値動きの異なる複数の金融商品に資産を振り分けて、1つが失敗しても他でカバーできるようにしておくことが大切なんです」

そして、株式投資も短い期間で結果を出そうとするとギャンブルになってしまう可能性が高いけれど、時間をかけて分散投資をしていけば安定的に利益を上げやすくなること、さらに、自分で銘柄を選ぶ自信がなくても、市場全体に投資したり、投資の専門家が銘柄を選んでくれたりする投資信託という便利な金融商品もあることを丁寧に説明してくれました。