日本銀行が黒田東彦(くろだ・はるひこ)総裁のもと「異次元緩和」を開始し、今日で10年目に突入します。2%のインフレ(物価上昇)を目指し導入した政策ですがいまだ実現できていません。

そもそも日本銀行はどうしてインフレを目指すのでしょうか? 今日は「日本銀行が異次元緩和を導入した経緯」と「日本銀行がインフレを目指す理由」について確認しましょう。

中央銀行が株式を年間1兆円買う異例の対応

黒田氏は2013年3月に日本銀行の総裁に就任します。翌4月4日に量的・質的金融緩和、いわゆる「異次元緩和」の導入を発表し市場の注目を集めました。

異次元緩和の目玉はETF(※)の買い入れペース拡大です。日本銀行は経済や物価にプラスの影響を与える目的で2010年12月からETFを買い入れていますが、黒田総裁は保有残高が年間1兆円増えるペースでETFを買い入れると発表します。市場は「日本銀行は株価を買い支える」というメッセージとして受け取り、日経平均はバーナンキショック(※)直前の5月22日まで26%以上上昇しました。

※ETF:上場投資信託(Exchange Traded Fund)。ETFは個別の株式などで運用されるため、日本銀行がETFを買うことで間接的に株価を買い支えることになる。
※バーナンキショック:当時のFRB(アメリカの中央銀行に相当)議長バーナンキ氏が金融緩和の縮小に言及し起こった株価の下落。日経平均は2013年5月23日に1143.28円(7.32%)下落した。

【異次元緩和発表後の日経平均(2013年4月3日~5月22日)】

日本経済新聞社 日経平均プロフィル ヒストリカルデータ

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