19回目です。
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まずは今週(2月17日週)1番大きな動きである、日本の長期金利上昇とその背景を説明します。
それから、149円台まで進んだドル円相場の材料の整理、そして米政権からは円安に対するけん制が入るか、最後に来週(2月24日週)のポイントについてまとめたいと思います。
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さて、日本の長期金利についてです。こちらの図は2000年代に入ってからの長期金利と政策金利をまとめたものになります。長期金利は今週、1.46%まで上昇しました。
植田日銀総裁の国会答弁により上昇は一服したかに見えますが、まだ上昇圧力は加わっているのではないかと感じているところです。
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ここで改めて金利の決まり方をご説明します。
政策金利は潜在成長率とインフレ率の足し算によって表されます。
日本の潜在成長率はマイナス1%からプラス0.5 %まで幅を持って推計されており、そこに目標インフレ率である2%を加えた1%から2.5%が日本の中立金利の理論上のレンジとなります。
ただ、市場は「日銀はそれほど利上げしない」と考えていました。
そのため、中立金利のレンジの下限である1%程度までの利上げしか織り込んでいなかったのです。
しかし、ここ最近のインフレ指標の上振れ、それからタカ派なトーンが続いた日銀高官発言を受けて政策金利の天井は1%ではなく、1.25%くらいではないか、という見方にシフトしつつあります。