外資系企業のシステム部門のマネージャーとして辣腕を振るう荒川裕子さん(仮名)。同業他社からヘッドハンティングを受けるほどの高度なスキルを持つエンジニアである彼女は、当然収入や資産もハイレベル。しかし、その運用は証券会社に任せきりになっていました。
金融商品を売買するたびに資産は増えたり減ったりを繰り返し、結局ほとんど変わりません。なんだか証券会社の都合の良いように振り回されているだけのような思いがぬぐえず、新しい商品を勧められるたびに、「それはあなたの営業成績が上がるだけじゃない? 私にメリットはある?」と疑問を感じていました。
ところが、ある男性と出会ってから、荒川さんの資産はグングン増えていきました。しかも、それまでは仕事一筋、シングルを通してきた彼女の人生までもが一転したのです。
荒川裕子さんプロフィール(現在)
関東在住
52歳
女性
会社員
ITエンジニア職
これは10年前、私が42歳だったときのことです。仕事一筋に頑張ってきて、勤務先でも評価され、収入も同年代の女性とは比較にならないぐらいの額を受け取っていました。結婚まで考えられるような恋愛はできなかったけれど一人でも十分生きていけるし、これ以上何も望まないと思っていました。そう、彼に出会うまでは。
私は大学院を修了後、大手システム開発企業に入社しましたが、日本企業特有の文化や上下関係が煩わしくて外資に転職し、その後ヘッドハンティングを受けてアメリカ企業を3社渡り歩きました。外資では私のスキルを高く評価してもらえて、どんどん収入が上がっていったうえ、日本企業が若い女性社員に求めるようなつまらない気遣いをする必要もなく、最先端の開発に携わる刺激的な毎日。ときどき友人たちと飲みに行ったり、旅行に出かけたりはするけれど、それ以外にお金のかかる趣味もないので、いつの間にか給与振込口座にかなりの金額が貯まっていました。その額、約5000万円――帰省した時に親類が、「お金を眠らせておくのはもったいないから、投資するといいよ」と証券会社の担当者を紹介してくれたので、その人に勧められるまま投資信託や債券を購入していました。
ところが1年ほどで、担当者が代わったと連絡がありました。新しい人はずいぶん押しが強くて、「持っている商品は売って乗り換えたほうがいい」と、頻繁に新しい商品を勧めてくるようになりました。はじめはしぶしぶ応じていましたが、それが少し値下がりするとまた別の商品を勧めてきます。そのことを友人に話したら、「それ絶対に金ヅルにされてるよ。言いなりにならない方がいいんじゃない?」と言われてしまうほど。
不信感が募り、電話をもらった際に「しばらく忙しいので連絡しないで」とかなりキツく言ってしまいました。